皆さまご存知の通り、新型コロナウィルスの蔓延に伴う自粛と消費不振。

また国から発令された緊急事態宣言は、アパレル・ファッションビジネス業界に関わらず日本経済に甚大な影響を及ぼしております。

今回は4回目の緊急ブログとなりますが、前回のブログでは経済的、マクロ的観点からアパレル・ファッションビジネス業界がどのようになるかについてご説明してまいりました。

今回はミクロ的な観点から、「アパレル・ファッション消費市場で消費心理がどのように変化するのか」についてご説明させて頂きます。
またその中でのファッションの役割について当社の見解をご説明させて頂きます。

アフターコロナ 良く耳にする消費ワード

まず最近良く聞く消費におけるワードがございます。

特にコンサルタントといった職業の方はこうしたワードが大好きなようで、必ず次のようなコメントをいたします。

「市場は元には戻らない」
「パラダイムシフトが起こる」

何をもって元にもどらないのか、パラダイムシフトなのか良く解らないのですが、コロナ禍における「パンデミック」「ロックダウン」といった言葉の発言が問題になったように、聞きなれない抽象的な言葉や、カタカナ文字は注意して使わなければなりません。

当社ではアパレル・ファッションビジネス経営の専門家としてこれまでのブログにおいてもこうした抽象的な用語は出来るだけ使用をさけてきたところです。

また聞きなれない用語については都度定義をさせて頂いております。

さらに消費者の心理、消費行動を説明する際に聞く言葉として、「自粛による巣籠り生活や、そこで覚えたECやスマホで完結するという生活習慣は急には変えられない。

恐怖感や不安も相当に残っており今後はそうした消費が一般的になるのではないか」といった意見も聞くこともございます。

一体どう消費者の心理、行動が変わるのか、よく解らないところでございますが、予想を行う時に重要なのは、次のような順序で因果関係を冷静に整理しロジックを組み立てていくことであります。

① 過去の分析:これまではどうだったのか(それは何故か)
② 現状の分析:今どのような要因が起こったのか、その影響は
③ 結果予測:その後、どうなるのか

例えば、アパレルショップのコンセプトを変更する際には次のように考えます。

① 過去の分析:これまで何故売れていたのか、売れていなかったのか
② 現状の分析:競合先や、来客層、消費者心理、トレンドなどどう変化しているのか
③ 結果予測:その後、どういう現象が起こるのか

こうして考えていかなければ今後の方向性や戦略は立てられないわけであります。

これはアパレル・ファッションビジネスにおける経営、実務においても同じであります。

そうしたわけでございますので、まずは「これまでの消費市場がどうだったのか」から過去の分析をしていくことにいたします。

過去の分析:これまでの消費市場

これまでの消費市場を捉えるとき、一番象徴的な言葉は「モノからコト」でしょう。

これは皆さまもよくご存知の通りであります。

では「コト」とは何でしょうか。

当社のコンサルティングにおいて、こうした質問をバイヤーや店長に聞くと、殆どの方が、「モノ」との対比で、形のないもの、旅行やイベントなどの消費ではないかという答えが返ってきます。

しかしそれは消費のシーンであって、根本的なところはそうではありません。

そうした消費の過程で得られる「共感、体験、繋がり、感動、物語要素」。こうしたものを「コト」と言っているのだとご説明しております。

つまり、旅行消費の例で言いますと、旅行会社の旅行プランを消費しているのではなく、その旅行で得られる体験や感動、つまり「共感、リアルな体験、繋がり、感動、物語要素」を消費しているのだということであります。

最近では「コト」消費から、「トキ」消費なんて言葉で説明されたりします。

具体的な消費シーンでご説明いたしますと、若者は、仲間と推しのライブに行き、推しのグッズを集め、フェスに出かけ、渋谷のハロウィンや、フェスに出かけ、デザインフェスタやコミケに集まるわけであります。

30代~40代もライブハウスに出かけ、スポーツ観戦し、教室で習い事をし、女子会をし、家族同士でグランピングをし、友達同時で旅行に出かけるわけです。

中高年、高齢者でも、飲み屋に集まり、地域のイベントに参加し、スポーツサークルに集まり、お祭りに行き、習い事をし、クルーズ船に乗って旅行するわけであります。

こうした消費シーンを通じて各々の消費者は「コト」「トキ」を消費しているわけであります。

ショッピングセンターなどの商業施設の開発においても、「時間消費型施設」などと言い、イベント会場を設置したり、家族で楽しめるキッズスペースを置いたりしているわけであります。

それ故、当社のコンサルティングにおいても、アパレルショップのコンセプト設計や、メーカーのブランディングの際に、いかに「コト」「トキ」消費に繋がる形にするかの仕掛けを提案しているわけであります。

また、そうした「コト」「トキ」消費に関連して、ファッションの消費も行われます。

人と人との出会い、繋がりの中で、ある人は異性や周りに評価されたいためにオシャレをし、ある人は自分らしさを表現したいといって個性的な服を着て、ある人は仲間と一体感を持ちたいといってサークルのユニホームや、ライブ用の推しのロゴの入ったトレーナを着たりするわけです。

そして、ファッションを購入するシーンにおいても、オシャレをしてショッピングを楽しんだり、店員さんと楽しい会話をしたり、ついでに仲間とお茶しておしゃべりしたり、しているわけです。

人それぞれファッションを楽しむシーンや目的は変わりますが、そうしてファッションも「コト」「トキ」といった消費の延長のなかで消費されていきます。

こうした消費において、ITやネットは一つのツールとして活用できる部分もございますが、パソコンやスマホの小さな画面では全てを満たすことは難しいでしょう。

中には単に防寒目的とか、着心地などの機能面だけで洋服を購入する方も中にはおられますが、そうした方はおそらく皆さまのお客様ではありませんし、利便性や価格だけを求めてECサイトで購入して頂ければよいわけであります。

これらが昨今いわれる「コト」消費といったものでございますが、改めて思うのは、消費の仕方やシーンは違いますが

10年前も、100年前もやっていることは変わらないということです。

結局、人間は、皆で集まり、わいわい美味しい食事をして、お酒を飲んで、歌って踊って、おしゃれをしてファッションを楽しみ、モノを売り商売をして、異性の気をひいて、家族を持ち、家族と寄り添い、悲しみ、笑い、共感し、繋がって連帯感を持ち、寄り添って生きてきたわけであります。

また1万年前においても、既に衣服を身に付け、お化粧をし、祭りや宴会をやっていたと研究されています。

やっていることは1万年前から変わらないわけであります。

なぜ一万年以上前から人間は変わらないのでしょうか。

これまでもペストやスペイン風邪といった何千万人と亡くなった疫病もありましたし、戦争や飢饉、また地震、津波、台風といった災害に何度も見舞われているわけです。

「安全」や「感染防止」といった価値観を最優先にするのであれば、シェルターのような頑丈な家を建て、食料を備蓄し、外には一歩も出でず人とも接触しないほうが安全なわけですが、東日本大震災や昨年度の台風災害のあとも、ショッピングや旅行に出かけ、イベントやライブにいき、高齢者はクルーズ船に乗って、若者はクラブでナンパしていたわけであります。

それは何故でしょうか、それは至ってシンプルなことで、それが人間だからです。

人間はそうやって文化をつくり、いまの文明を作ってきたわけであります。

本質的なところは一万年前からも何も変わっていないということなのでしょう。

当社(私有馬)としては、このまま「だから、そのうち元にもどる。」と言いたいところでありますが、今回のコロナ禍の影響は、一筋縄でそういかないのが難しいところであります。

次にコロナ禍における消費意識の現状分析についてご説明いたします。

現状の分析:コロナ禍により受けた心理的な恐怖の影響

一方で、一度恐怖を覚えると、それがなかなか脳から離れないのも人間の本能です。

今回のように連日連夜危機をあおる報道がなされていればより恐怖は大きくなるわけであります。

例えば

・オーバシュート(爆発的感染)が起きてもおかしくない
・パンデミック(世界的大流行)は数年間続く
・ワクチンが出来ても100%効くかどうかわからない
・アビガンなどの治療薬も完璧ではない
・第二派、第三派の波が何時きてもおかしくない
・親しみのあった芸能人の訃報
・患者の生々しい体験談
・コロナ禍の影響は数年間続き長期戦になる

メディアの方も悪意があって行っているわけではないと考えますが、こうした危機感を煽る内容は消費者の心理に根強くのこり、すぐには普通の生活に戻るのは難しいでしょう。

こうしたことより、「自粛による巣籠り生活や、そこで覚えたECやスマホで完結するという生活習慣は急には変えられない。恐怖感や不安も相当に残っており今後はそうした消費が一般的になるのではないか」

と考えるのも理解できるところであります。

そしてこうした恐怖や不安にかられたコロナ禍の中で求められる生活様式は次のようなものです。

すなわち連日テレビでも言われている「外出自粛」、「3密回避」、「濃厚接触回避」、「人との接触を8割削減」といった「新しい生活様式」です。皆さまも毎日聞いているワードでございます。

当社ではこうした感染症の対策や、政府の政策を否定するものではございません。

あくまでも消費者の心理に及ぼす影響をマーケティング的に考察しているだけであります。

その立場より申し上げますが、ここは非常に重要なポイントがございます。

なぜならば現状分析のところで行った、「結局は、皆で集まり、わいわい美味しい食事をして、お酒を飲んで、歌って踊って~」といった生活習慣はその殆どが、「濃厚接触」「3密」に該当するからです。つまり昨今の消費市場での価値観、すなわち「モノからコト」、つまり「共感、体験、繋がり、感動、物語要素」といったものが全て否定される生活様式であるわけです。

これが今起きている現状の分析であります。

今後の予測:今後のアパレル消費

これまで、過去の分析ではこれまでの消費における価値観をご説明してきました。

また、現状の分析ではコロナ禍において要請されている生活習慣をご説明しました。

そして後者の生活様式は、前者の生活様式を全面否定するものであることをご説明してきました。

それでは今後の消費はどのように変化するのでしょうか。

現在、多くの方は、SNSの動画で現実逃避したり、オンライン飲み会で代替的に欲求を満たしたり、女性は「あつ森」で現実逃避したり、日常の生活対応に追われていますので問題は顕在化していません。

しかし今後、この問題は顕在化してくるでしょう。

こうした消費者心理の状態を概念化すると次のようになります。

つまり、これまでの生活様式、価値観が完全否定され、何だか面白くもなさそうな「新しい生活様式」が要請されたわけであります。

ご丁寧に「家庭の食事ですら横並びにして会話を少なく」、といったことまで提案してくれているわけであります。

しかし、その新しい生活様式は、コロナの恐怖や、感染防止といった善意の倫理からくるものであり、理屈や道理は理解できるわけであります。

つまり、一方で、これまで肯定してきた人間らしい生活様式があり、一方でそれを全面的に否定する「新しい生活様式」があり、これも否定できないわけであります。

ここからマーケティングでも活用される社会心理学の理論にて説明を行います。

こうした心理状態のことを社会心理学では「認知不協和」と言っております。
以下、その定義であります。

【ウィキペディア(Wikipedia)定義】
「認知不協和とは、人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語」

ここまでは事実判断となります。

「認知不協和」についても実証されている社会科学の理論でもあり理解の出来るところでしょう。ここまでで、否定される方はおそらくいらっしゃらないかと考えます。

そしてここからは推測(仮説)となります。

これも「認知不協和」の理論で説明できます。
こうした「認知不協和」におかれた際に、人(厳密に言えば脳)が行う行動は社会心理学の法則で説明することは可能です。

その法則とは

「2つの要素の間に不協和が存在する場合、一方の要素を変化させることによって不協和な状態を低減または除去することができる。ウィキペディア(Wikipedia)」

ということであります。

つまり、自分にとって都合のよろしくない認知の解釈を変えることで認知不協和を低減させるのです。

例えばですが

認知A:自分はタバコを吸う
認知B:タバコを吸うと肺ガンになりやすい

この場合、A、Bの2つの認知は自分にとって不協和であり、Bは自分にとって都合が悪いわけであります。

そうするとBの認知の解釈を人間の脳が次のように変化させるわけであります。

認知A:自分はタバコを吸う
認知B:タバコは危険ではない

しかし、それには根拠が必要ですから、Bに対する新たな認知を追加します。

認知C:タバコを吸っても長寿の方はたくさんいる
認知D:交通事故で死亡するほうがリスクは高い

こんな感じであります。

この「認知不協和」の社会心理学の法則はマーケティングや消費者心理を説明するなかで一般的なものであり、社会科学のなかでも普遍性の高い法則です。

これを今回のところに当てはめるとどうなるでしょうか。

おそらく次のようになるのではと当社では考えます。

つまり
認知A:「コト・トキ」消費   ×
認知B:コロナ恐怖回避の消費  〇

↓ 認知不協和の回避

認知A:「コト・トキ」消費   〇
認知B:コロナは怖くない    ×

さらにこのような解釈をするためには根拠が必要ですので

認知C:悪いのはコロナではなく政府の対応
認知D:コロナの死亡者は、昨年のインフルエンザの死亡者(1万人超)より低い
認知E:有効なワクチン、特効薬が出来た
認知F:コロナよりもっと怖い何らかのリスクがある

こうした認知を無意識のうちに加え、都合の悪い認知Bの解釈を変えるわけです。
先ほどのタバコのケースと同じでございます。

当社では消費者心理としてはこうしたプロセスで終息し、「消費者行動は元にもどる」と推測しています。

さらに、そう推測する理由として、「コト」「トキ」消費の根底にあるのは1万年前から人間が行っている生活様式や人間の本能に根差すものであるということであります。

専門家が何と言おうとも、「生活様式は元にもどる」と推測するわけであります。

頭の良すぎる専門家や、評論家、コンサルタントといった方の中には、こうした生活感とは無縁で、「男性脳・左脳」でしか判断できない方もいらっしゃり、悪意はないにしても時に極端なことを言われる方もおられます。

しかし、このように過去の分析、現状の分析を行い、理論や仮説に基づいて判断していけば冷静に判断できるわけであります。

したがって、当社においての推測としては、「自粛による巣籠り生活や、そこで覚えたECやスマホで完結するという生活習慣は急には変えられない。恐怖感や不安も相当に残っており今後はそうした消費が一般的になるのではないか」といった「新しい生活様式」の世界は到来しない。

人間はそれを受け入れられず「認知不協和」を回避するものと判断しております。

しかし上記のプロセスはどこかのタイミングで何となく進むでしょう。
また認知Bの解釈を変えるにあたり細かい原因分析や、責任追及の議論も行われないでしょう。
どこかのタイミングで、何となくそうなるのではと推測しています。

それには理由がありまして、それが日本的組織の特徴であり、誰にとっても都合が良いからであります。

この点、いずれ経営における組織論の観点からご説明する予定であります。

緊急事態宣言が延長された5月4日の現時点で、こうしたマーケティング的な見解を申しているのはおそらく当社だけかと思いますが、過去の分析、現状分析、論拠に基づく仮説からすれば、「新しい生活様式」は定着できないと考えるわけであります。

「市場は元にはもどらない」「パラダイムシフトが起こる」と抽象的な言葉で色々とご説明する方もいらっしゃるわけでありますが、アパレル・ファッションビジネス経営においては、分析と論拠で本質的なものを見ていく必要があると考えます。

参考までにSNSで話題沸騰中の「ただまひろ」様のマンガをリンクさせていただきます。

「コロナが終息したら、みんな何したい?」を解りやすくまとめています。

5月4日時点で31万件の「いいね」がついております。
https://twitter.com/mappy_pipipi/status/1249465003557523456

実際に読んでみてもらいたいのですが、いま消費者がやりたいことは

①集まって飲み会したい
②帰省したい
③お祭りにいく
④スーパー銭湯、サウナにいきたい
⑤カフェで読書
⑥旅行したい
⑦ジム、ヨガ、ダンス、テニス、バレエ
⑧卒業式で集まれなかったからもう一回みんなで集まりたい
⑨テーマパークにいきたい
⑩部活がしたい
⑪普通の生活がしたい。

です。

つまり、人間は結局、皆で集まり、わいわい美味しい食事をして、お酒を飲んで、歌って踊って、おしゃれをしてファッションを楽しみ、モノを売り商売をして、異性の気をひいて、家族を持ち、家族と寄り添い、悲しみ、笑い、共感し、繋がって連帯感を持ち、寄り添って生きていきたいわけであります。

そして改めてみても、これらの生活活動の殆どが、「濃厚接触」、「3密」、「リアル体験」であるわけです。

つまり、人間の本能である文化的な生活を送りたいといっているわけであります。

残念ながら、「洋服を買いたい」といった項目は順位入りしていませんが、これらのやりたいこと、生活行動の背景にはファッションがありますので、「コト」「トキ」を提案出来ている限りは、アパレル消費がないと、ご心配されることはないかと存じます。

この点、当社のコンサルティングを受けられているクライアント様においては容易にご理解頂けるのではないでしょうか。

また、これらのやりたいことの中には、「新しい生活様式」で提案されているものや、「ECサイトで買い物したい」、「巣籠り消費したい」、「オンライン接客を受けたい」といったものはありませんでした。これをどう判断するかは皆さま次第であるかと存じます。

世の中には、もともとこうした「コト」「トキ」といった生活様式やファッションに興味のないような方もいらっしゃいますので、そうした方の生活様式や価値観について当社ではコメントをするつもりはございません。

アパレル・ファッションビジネス経営を考えるうえで、要はどこをターゲットにするかということであります。

アフターコロナにおけるアパレル経営について(まとめ)

以上、これまで長くはなりましたが、「このあとのアパレル市場はどうなるのか」というご質問に対して、前回のブログ、アフターコロナでアパレル市場はどうなるか、アパレル経営者が判断すべきことでは、経済的な観点からアパレル・ファッションビジネス市場も、コロナ不況?を免れるのは難しい、「市場は元(不況)にもどるだけ」ということをご説明してまいりました。

また今回のブログでは、「アパレル・ファッション消費市場での消費行動がどのように変化するのか」について、分析と論拠をもとに、仮説を立ててきました。

その上で、どちらの観点においても、「市場は元にもどらない」ではなく、「市場は元にもどる」と結論づけさせて頂きました。

しかしその時期については現段階では情報も少なくご説明はできません。

ここまで長々とご説明しておいて何ではありますが、重要なことは、コロナ禍により、アパレル・ファッションビジネス市場が、「どうなるのか」ではなく、「どうしたいのか」ということではないでしょうか。

この点、アパレル・ファッションビジネス経営におけるAI活用の注意点においても、「何が売れているのか」を調べて真似るのではなく、「売りたいものを創造すること」、つまり「どうしたいのか」が重要であるとご説明させて頂いております。

つまり、今回のコロナ禍においても「どう対処したらいいか」ではなく、「どうしたいか」がアパレル・ファッションビジネス経営にとって重要だと申し上げているわけであります。

歴史を振り返りましても14世紀に大流行したペストでは1億人の方が亡くなったと言われております。

しかしその暗黒時代の後に到来したのは「ルネッサンス(文芸復興)」です。

思想、文芸、美術、建築においての創作活動が盛んになり、ファッション文化においても大きな発展がありました。

その理由について、当社(私有馬)の見解ですが、人間らしい生活様式を取り戻す逆引力が働いたと考えております。

アフターコロナにおいて大事なのは、新しい生活様式に対応するビジネスモデルを構築することではなく、新型コロナの恐怖を忘れることができるような「コト」「トキ」をアパレル・ファッションとしてどのように提案できるかではないでしょうか。

貴社にとっての「コト」「トキ」提案が何かは解りません。

トレンドなのか、個性的で可愛い洋服なのか、ライフスタイル提案なのか、サスティナブルなのか、それは貴社が「どうしたいのか」を考えるところであります。

そしてそれは、皆さまのお客様の顔を思い浮かべれば見えてくるのではないのでしょうか。

お客様は、元の生活に戻ることを切に願っているわけであります。

久々に、飲み会で会える仲間、帰省して家族や友人と会うシーン、恋人や友人と行く花火大会やお祭り、オシャレなカフェでゆっくり読書、習い事の再開、恋人や友達といく旅行やテーマパーク。

せっかく久しぶりに皆で集まれたのにダサダサの洋服だともったいないじゃないですか。

お客様は、そうしたシーンをSNSに投稿したくてたまらないわけですよね。インスタ映え、ジェニックになるようオシャレさせてあげないといけないのではないでしょうか。

それをファッションでご提案していくことが皆さまの役割ではないでしょうか。

そう考えると、今売れているものを仕入れるとか、次売れるものをAIに予測させるといった発想にはならないですよね。

コロナの恐怖を忘れられるような素晴らしい日常を彩ること、そのために皆さま出来ることがあると考えます。

もしそれが解らなければ今回検証した「過去の分析」のように「何故評価されてきたのか」を考えれば答えが出てくるかと存じます。

そしてそこを突き詰めて考えていきますと、皆さんのやること自体が「コト」になっていきます。

この点、解りにくいかとは思いますが、当社のコンサルティングを受けられている方であればご理解頂けるのではないでしょうか。

当社では、AIのように次に売れるものが何かを予想することは出来ません。

しかし、皆さまの「やるべきこと」「どうしたいか」を「見える化」し売れる形にすることは可能だと考えております。
もしご関心がございましたら当社の無料相談会をご利用くださいませ。

最後に、前回のブログでは、「やるべきこと、当たり前のことを当たり前にできる」ことが重要だとお伝えいたしました。

「市場は何も変わりません、(ある意味)元にもどる」だけであります。
そうした中で、「やるべきこと(どうしたいか)」を、「当たり前のことを当たり前にできるようにやっていく」ことがアパレル・ファッションビジネス経営にとって重要だと提言させて頂きます。

当社はアパレル・ファッションビジネス経営を強くすることで、「ファッションが楽しい社会を創る」ことを事業目的としています。今回のブログが貴社のアパレル・ファッションビジネス経営にお役にたてれば光栄です。

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