アパレル「コンサルティング」と「セミナー・研修」の違い
当社ブログを拝見して頂き誠にありがとうございます。
当社はアパレル企業専門のコンサルティング会社です。
本ブログはアパレルセレクトショップ、ライフスタイルショップなどの小売店やアパレルメーカーの経営にお役に立てることを目的に作成しています。
さて、コンサルティングの導入をご検討する会社様より次の質問を受けることがあります。
それは
「コンサルティングとセミナー・研修は何が違うのか」
「コンサルティングとセミナー・研修の効果はどう違うのか」
というものです。
「コンサルティング」や、「セミナー・研修」をご検討されるケースは何らかの経営的な課題がある場合殆どだと考えます。
例えば、「売上を上げたい」、「ブランディングをしたい」「MDやVMDの実務力を上げたい」、「管理者のマネジメント力を上げたい」等です。
そうした経営的な課題を抱えているわけですので、こうした疑問が生じるのも無理はないかと思います。
また経営者の中には、「セミナー・研修」を行う人が「コンサルタント」と思われている方もいますが、こちらは似て非なるもので、中味は全く違うと当社では考えております。
このあたりも含めて、両者の違いについて説明していきたいと思います。
尚、ここで言う「コンサルティング」とは、当社の考える「コンサルティング」でありますので世間一般で考えられる「コンサルティング」とは違うことをまずご説明させて頂きます。当社の「コンサルティング」の位置づけについてはこちらのブログをご参考にして頂ければと思います。
アパレル・ファッションビジネスにおけるコンサルタントの選び方
アパレルコンサルティング、セミナー・研修の違い1:料金
さて、まず気になるのが価格だと思います。
ここははっきりしていますので、明確にお答え可能です。
「セミナー・研修」は安く、「コンサルティング」は高くなります。
各社様々ですが、この傾向には変わりないでしょう。
アパレル関係の「セミナー・研修」、例えば「MD、VMD、接客」などの実務系のセミナー・研修は、業界団体で実施していますし、「新人研修、リーダー教育」などの人事系のセミナー・研修も商工会などで実施しています。
いずれの場合も「1名1万円」といった形で安価な価格設定となっています。
それに対し、「コンサルティング」の場合には価格は高くなる傾向にあります。
これも各社様々ですが、月額数十万といった顧問契約が殆どであります。
こちらも幅はありますが、総じて「コンサルティング」の方が高い傾向となります。
アパレルコンサルティング、セミナー・研修の違い2:内容
次に両者の内容について見ていきたいと思います。
ご提供する「コンサルティング」「セミナー・研修」のサービスや役務の内容ということになります。
まず「セミナー・研修」はイメージしやすいかと思います。
アパレル関係の「MD、VMD、接客」などの実務系のセミナー・研修では、大きな会場で、講師が座学を中心に研修や指導を行います。
最近ではオンラインセミナーなども増えています。
そこでは、これらの実務知識やノウハウを教えていきます。学校や予備校の授業に近い形で進められるのが殆どでしょう。
「新人研修、リーダー教育」などの人事系のセミナー・研修でも同様であります。
こうした「セミナー・研修」をサービスや役務という点から見ると、提供しているものは明確です。
それは「知識やノウハウ」つまり教育ということになります。
こちらは解りやすいのではないでしょうか。
それに対して、「コンサルティング」の場合は、各社様々でありますが、当社を例にご説明させて頂きます。
当社の主要「コンサルティング」として「アパレルFDCA経営🄬」があります。
こちらのコンサルティングのキャッチコピーは「「感性・ヒト・組織」をともに成長させ昨対業績105%を永続」というものです。
詳しくは、こちらのサイトや、動画をご覧頂ければと思います。
そして、当社のこの「コンサルティング」で役務やサービスとしてご提供しているのは、知識やノウハウだけではありません。
「アパレルFDCA経営🄬」では、「「感性・ヒト・組織」をともに成長させる」ための「仕組み」づくり、つまりビジネスとして「強くなるための仕組み」を経営手法としてご提供しているわけであります。
もちろんその仕組みを作るための実務的な前提知識やノウハウも必要となります。
そのためコンサルティングの導入段階では「MD、VMD、接客」などの実務系の研修会などを行う場合もあります。
しかしそれは「仕組み」を作るうえでの前提知識でしかありません。
例えば、ブランディングにおいて「イメージターゲットとリアルターゲットの違い」「コンセプトとシーズンテーマの違い」、店舗設計において「VP、PP、IPの関係と導線設計」といったことをいきなり説明しても前提知識がないと何のことか解りません。
こうした前提知識を共有するうえで研修会を行う場合もあります。
しかし「強くなるための仕組み」を作るためにはこれだけでは足りません。
例えばアパレルセレクトショップやライフスタイルショップでは、「MD、VMD、接客」などの実務的なノウハウや知識だけでは足りません。
会社としてのビジネスプロセス、つまりシーズン毎の企画会議、MD会議や、そうした場で実施、検証していく事項、例えばイメージターゲットとリアルターゲットの検証、修正方法、MD構成、予算設定とその修正方法なども決めていかなくてはなりません。
また販売会議や、店長会では、MD計画や売場スケジュールに合わせた販売促進策、スタッフの育成OJT計画も決めていく必要があります。
またこうした社内のプロセスを回していくことになると企画部、商品部や店舗運営部の役割定義、バイヤーやエリアマネージャーの協力体制や役割定義もしていかなくてはなりません。
そしてこれらの「仕組み」の導入により、結果として「昨対業績が105%永続」するアパレルビジネスが構築されるわけです。
詳しくは「アパレルFDCA経営🄬」無料動画セミナーをご視聴頂ければと思いますが、当社ではコンサルティングとはそうしたものであると考えています。
ここで「コンサルティング」と「セミナー・研修」のサービスや役務をまとめますと次のようになるかと思います。
(サービス・役務)
「セミナー・研修」:知識、ノウハウ
「コンサルティング」:知識、ノウハウ、強くなるための仕組み、業績への反映
提供するサービスや役務が全く違いますので、この点が価格にも影響してくるわけであります。
アパレルコンサルティング、セミナー・研修の違い3:経営効果
ここもある程度言い切ることが出来ると考えています。
「MD、VMD、接客」などの実務系、「新人研修、リーダー教育」などの人事系の「セミナー・研修」の効果はどちらの場合も経営効果は薄く限定的だと考えています。
これはスポーツの例を思い浮かべれば解りやすいと思います。
例えば、ある高校バスケ部のチームがあったとします。
チームを強くする目的から部員全員で、「バスケの基礎講座」をDVD動画などで視聴したとします。
そこにはシュートの打ち方のコツや、ドリブルの技術が解説されているはずです。
また有名選手の体験談なども説明されている場合もあります。
これらを視聴した後、きっと高校生の部員はきっと「なるほど」となり満足する方も多いはずです。
何故なら上手くなるための、知識やノウハウを教えてもらったからです。
しかし、いざコートに戻り練習を再開したとします。
この動画で得た知識やノウハウを活かすことは出来ますでしょうか。
おそらくシュートもドリブルも元のままでしょう。
チーム全体でも何も変わりませんし強くなることはないでしょう。
そして2~3日もすれば動画で得た知識やノウハウもどこかに消えていくでしょう。
なぜこうした状況になるかと言えば、単に「理解した気になっている」だけだからです。
表面的な知識だけではバスケットボールの結果を出すことは出来ません。
何度も練習し体に染みつかせ、血のにじむ努力をしていかなければ本当の意味で理解したことにはならないのです。
座学で得た知識やノウハウで強くなれれば誰でもNBA選手になれるわけです。
これはアパレルにおける「MD、VMD、接客」などの実務系、「新人研修、リーダー教育」などの人事系の「セミナー・研修」でも言えることです。
会場セミナーでも、動画セミナーでも、結局は知識とノウハウの習得が目的です。
こうしたお勉強をすると「理解した気」になりますが、翌日職場にもどるといつも通りです。
「理解した気」になっているだけですので現場で実践することが出来ないのです。
それ故、売上や人材育成などの経営効果は薄く限定的だと考えるわけであります。
「そんなことはない」と言われる方もおられるかもしれませんが、その場合は、まずやってみるのは良いかと思います。価格も高くありませんのでやらないよりはやった方が良いという考え方もあります。
また高校のバスケ部のチーム例にもどります。
先ほどの「バスケの基礎講座」を視聴した後に、実績のあるコーチが就いた場合はどうでしょうか。
そのコーチは個々の選手の課題に合わせた、日々の練習方法をプログラムしたとします。
またその練習結果も毎週確認し、次の課題と練習プログラムを作ります。
チーム設計でも、選手の特徴に合わせ、センター、ポイントガードなどの役割を定義し、チーム全体の作戦も立てていきます。
そして試合の前にはその作戦をブリーフィングし、試合の後は反省会を行い次の試合に反映していきます。
こうしたチーム運営を1年間行ったとします。
その時、このチームはどうなりますでしょうか?
おそらく1年前のチームとは見違えるようになっているはずです。
それでは何故強くなるのでしょうか?
それは個々の選手とチーム全体でPDCAが回っているからです。
そのため個々の選手も成長し、チーム全体でも成長するわけであります。
その結果、チームとしての実績(勝率)に反映されていくわけであります。
そして、一度この流れが(仕組み)が構築されていくと、2年後はさらに強くなっていき勝率も向上していきます。
さらに、そうしたレベルまで到達すれば、このコーチがいなくなってもこのチームの強さは継続していきます。
なぜならば一度できたこの流れ(仕組み)はコーチがいなくなっても継続します。
個人やチーム全体も成長しているので、こうした仕組みの中で、自分達でPDCAを回せるようになります。
コーチがいなくなったとしても3年後はさらに強くなることが出来るわけです。
この時、このコーチはこの高校のバスケ部のチームに何を提供したと言えるでしょうか。
もちろん個々の選手へのレベルの高い技術指導や、試合における戦略の指導もあったかと思います。
しかし本質的に提供したものは「強くなる仕組み」そのものだと言うことはできないでしょうか。その結果が実績(勝率)に現れていくわけであります。
これは当社の考える「コンサルティング」と同じだと考えています。
当社の「アパレルFDCA経営🄬」でご提供しているものは、このバスケットボールコーチと同じく、「強くなる仕組み」そのものです。
その内容もこのコーチの事例と同じように、個人、組織のP(F)DCAを回し成長させていくものです。
そしてその結果として「昨対業績が105%永続」するアパレルビジネスが構築されるわけです。
この点も当社の「アパレルFDCA経営🄬」無料動画セミナーをご覧頂けるとご理解頂けると思います。
アパレルにおける「コンサルティング」「セミナー・研修」の経営効果の違いという点では、これ位の違いがあると考えております。
アパレルコンサルティング、セミナー・研修の違い4:実施主体
最後に、「コンサルティング」「セミナー・研修」の違いについて、実施主体、つまりどのような方が行うのかを見てみたいと思います。
まず、「セミナー・研修」を行う方々をコンサルタントだと思われる方もおられますが、コンサルティング業界では全く違いものだと言われています。
これは当社の定義ではありませんが、コンサルティング業界では「セミナー・研修」を行う方々を「セミナー講師」と呼んでおります。
そしてこの「セミナー・研修」を行う「セミナー講師」は比較的誰でもなることができます。
極端な例ですが、あるセミナーを受け、その内容を録音し、テキストを入手すれば、同じテーマのセミナーコンテンツを作ることが出来ます。
つまりセミナーで学んだことをそのまま右から左に伝えれば同じようにセミナーや研修を行うことが出来るわけです。
「セミナー・研修」で提供するものは知識やノウハウですので、こうしたことも可能なわけです。実際にこうしたビジネスをされている「セミナー講師」の方を見かけたこともあります。
それが良いか悪いのかは当社が述べるところではありませんが、こうした特徴があるため比較的誰でも行うことが可能であると言えるでしょう。
それに対して「コンサルティング」の場合はどうでしょうか。
知識やノウハウをご提供するという意味では「セミナー講師」と似ています。
しかしその知識やノウハウは日々現場での実践で洗練されたものです。
書籍や他の「セミナー・研修」では得られないものもあります。
また「強くなる仕組み」を作るための組織設計、プロセス設計を行うためにはアパレルの実務知識だけではなく、組織設計におけるビジネスノウハウも必要となります。
「強くなる仕組み」を作るためには財務的な課題が障害になる場合もあります。
そのため財務やファイナンスの知識や経験も求められます。
直面する問題や経営課題は10社あれば10社まるで違います。
その中でその会社にあったやり方でPDCAを回さなくてはならないわけです。
そのため経験や実績も必要となります。
このように多様な知識と経験が求められるため、誰でもなれるわけではありません。
そのため「コンサルティング」「セミナー・研修」の違いについて、実施主体という面からも大きな違いがあるものだと考えています。
アパレルコンサルティング、セミナー・研修の違いまとめ
これまで「コンサルティング」「セミナー・研修」の4つの違いについてご説明してきました。まとめると次のようになります。
以上、「コンサルティング」「セミナー・研修」をご検討されるご参考になれば幸いです。
当社はアパレル・ファッションビジネス経営を強くすることで、「ファッションが楽しい社会を創る」ことをコンサルティング事業の目的としています。
今回のブログが貴社のアパレル・ファッションビジネス経営にお役にたてれば光栄です。