サステナブルファッションとは、直訳すると「持続可能なファッション」のことで、ファッションの生産、流通において自然環境や社会に配慮した取り組みのことを指します。
アパレル産業は、大量消費・大量廃棄のビジネスモデルが広がったこともあり、衣類などを作る工程の中で汚染水や温室効果ガスを大量発生させたり、過剰在庫の焼却処分や動物愛護問題など、自然環境への影響が問題視されています。
また、発展途上国にて低賃金で労働をさせることなども問題視されるようになりました。
この課題解決に向けて、2019年の主要7ヵ国首脳会議にて、アパレル産業における環境負担減を目的とする「ファッション協定」が発表されると、世界的に有名なハイブランドやファストファッションブランドもこの協定に署名し、地球環境、社会環境のために「サステナブルファッション」が注目されるようになりました。
アパレル業界においてのサステナブルな取り組み代表例
動物の皮、毛を使用しない
本革ではないものは、今まで「フェイクファー/レザー」と呼ばれていましたが、現在では、フェイクと呼ぶ代わりに「エコファー」や「エコレザー」と呼ばれるようになってきました。
動物保護のために動物の皮や毛を使用していないということで、このようなこともサステナブルな取り組みの一例です。
リサイクル素材を使用する
昨今、プラスチックごみによる自然、環境汚染に配慮する取り組みが以前に増して注目されるようになりました。
アパレル産業では、ペットボトルなどのプラスチックを再生させてできたTシャツや、梱包材や廃車となったエアーバックやシートベルトなどの廃材などから生まれたバッグや靴を扱うブランドも増えてきました。
ペットボトルは主に再生ポリエステルとして蘇りますが、ペットボトル以外では、植物系の再生レーヨンやキュプラもあります。
オーガニックコットンを使用する
オーガニックコットン、つまり無農薬のコットンを使用する企業も増えてきています。
これは、農薬や化学肥料などを使わないため、地球環境だけでなく生産者の健康状態にも配慮することができます。
フェアトレードを実施すること
フェアトレードとは「公正取引」のことで、発展途上国の生産者、労働者に公平な賃金を支払い、生活環境を安定させる取り組みのことを指し、
より安価で消費者に商品を届けるために、主に発展途上国などの生産国にて低賃金で人員を確保しますが、それにより労働者が犠牲になってしまいます。
生産性向上のために農薬が大量に使用されたり、小さな子供が働いたり、正当な賃金が支払われなかったりということもあります。
このように生産者にとって不利益にならないようフェアトレードを実施することも、サステナブルな取り組みの一つと言えます。
受注生産を取り入れること
受注生産とは、注文を受けてから生産することです。
今までは、市場ニーズや過去の実績を基に「この製品はこのくらい販売できるだろう」と予測を立てて生産数を決めていましたが、
その場合、売れ残りが出てしまう可能性があります。近年、アパレル産業の在庫問題が課題となっていますが、受注生産であれば、廃棄物は限りなくゼロに近い状態になります。
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